
オタクの皆さんなら、きっと多くの方が経験されているのではないでしょうか。職場や学校、家族や友人とのリアルな日常では、アニメやアイドル、声優などの趣味を徹底的に隠しているのに、SNSでは別アカウントで推しの魅力を全力で語り、ファンアートを投稿したり、感想を連投したりしてしまう……という二重生活。
いわゆる「オタバレ隠蔽派」の方は特に、このギャップに共感していただけると思います。この現象は、オタク文化の現代版として、とても興味深いものです。
なぜリアルでは隠してしまうのでしょうか?
主な理由は、社会的な偏見や誤解を避けたいという気持ちからです。日本では「オタク」という言葉が長らくネガティブなイメージを持たれやすく、「アニメばかり見ている人=引きこもり」や「現実逃避している」と見なされるケースがまだ残っています。特に大人になると、職場で趣味を明かすと「真面目じゃない」と評価が下がる心配や、友人関係で距離を置かれる恐れがあります。家族に対しても、「いつまでそんな子供っぽい趣味を?」と言われるのを避けたいという方も多いようです。そのため、日常では普通の服装や話題を選び、推しグッズをバッグの奥深くに隠したり、スマホの壁紙を無難なものにしたりと、細心の注意を払います。
一方で、SNSではなぜ全力になれるのでしょうか。ここがポイントで、SNSは匿名性が高いからです。鍵アカウントやハンドルネームを使えば、本名や顔を出さずに自由に表現できます。同じ趣味の仲間がたくさんいるコミュニティでは、推しの話をしても「わかる!」という共感が返ってきて、ストレスなく盛り上がれます。リアルでは抑えていた感情を、Twitter(X)やInstagram、TikTokなどで爆発させることで、心のバランスを取っているのです。深夜に新情報が解禁されたら即座に反応したり、長文の感想スレッドを立てたり、ファン同士で語り明かしたり……そんな時間が、何よりの癒しになります。
最近は、VTuberやアイドルファンも同様で、オンラインライブの感想をリアルタイムで共有する文化が根付いています。この二重生活のメリットは、リアルとオンラインの両方で充実した人間関係を保てることです。リアルでは一般的な話題でつながり、SNSでは深い趣味の絆を築けます。
ただし、デメリットもあります。たとえば、うっかり本アカウントで推しポストをしてオタバレしたり、SNS依存になって睡眠不足になったりするリスクです。また、匿名だからこそ過激な発言をしてしまうケースも見られます。
大切なことは、両方の世界を上手に使い分けて、自分らしく楽しむことですね。近年、オタク文化はますます主流になってきています。アニメが世界的に人気を博し、企業コラボも増えている今、昔ほど隠す必要はなくなっているのかもしれません。それでも、「リアルでは隠す派」がいるのは、個人の快適ゾーンを守りたいという自然な気持ちからです。あなたも、SNSで全力疾走している一人かもしれませんね。隠すのも、語るのも、どちらも推しへの愛情の形です。無理にオープンにせず、自分のペースで推し活を楽しんでください。